本紙スクープで発覚した北海道電力泊原発3号機のプルサーマル計画をめぐる「やらせ」問題で17日、同社の佐藤佳孝社長は「(やらせを)知らなかった」と関与を否定し、減給30%(3カ月)などの自身ら6人への処分を発表しました。しかし、同社の第三者委員会の調査報告書からは、これで"一件落着"といえない、組織的で悪質な手法がいくつも判明しました。
第三者委員会が指摘
佐藤社長への甘い処分には、批判の声が広がっています。2008年3月に社長に就任しており、第三者委員会が認定した「やらせ」のすべてが就任後に行われたものです。しかも佐藤社長はこの時期、原子力部門のトップでした。
質問台本を添削
「伺う会」では、4会場それぞれで「支援者にプルサーマル実施に向けての応援発言を依頼する」よう、社内で打ち合わせ。北電と取引業者に動員をかけていました。
報告書によると、地元対策を任務とする泊原子力事務所渉外課の担当者のパソコンから、「ご意見を伺う会の質問について」と題した四つの「質問の例文」が発見されました。例文はいずれも推進の意見です。別の担当者が添削をした痕跡もあり、第三者委は「本社を含めた相当数の部署の組織的関与があった」としています。
座席を国と相談
「伺う会」では慎重な意見が目立ちました。これをふまえて同社はプルサーマルシンポジウムにむけて「動員計画」をつくり、準備を進めました。さらに資源エネルギー庁の職員から「北電の電源立地部長にも伝えてあるが、推進の側で発言を頂くことも準備をお願いしたい」と要請を受けました。この発言は、当時の発電本部長の常務取締役ら幹部にも伝えられました。
また直前に資源エネルギー庁職員は、推進派の質問者がひと目でわかるような座席表を要求。北電側は、推進派の質問予定者12人を座席まで誘導し、このうち3人が実際に質問しました。
「動員」というな
プルサーマル計画をめぐり最後と位置づけられたのが公開シンポジウムです。佐藤社長が本部長をつとめる原子力推進本部の事務局会議で「推進派の意見を反映させて行く必要」と、動員を強めました。
北電では、原子力部門や泊事務所の社員に動員メールを送り、大規模な呼びかけをしました。メールの中には「あくまでも自主参加であり、動員という言葉は発しないこと」という会場内の"禁句"が指定されました。
道職員から要請
プルサーマル計画意見提出では、北海道の原子力安全対策課の職員から「反対意見を打ち消す意見も欲しい」と北電に要請があったことが指摘されています。道民世論に注意しながら、国と道の働きかけも受けた組織的な「やらせ」に、佐藤社長が「知らなかった」というのは、通用するものではありません。
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